旅程
9/16 7:15 DMZツアー参加(臨津閣~ドラ展望台~第三トンネル~統一村)
14:00 明洞観光
15:30 南大門観光
17:00 ソウル駅⇒仁川国際空港へ
21:00 仁川国際空港出発
23:00 関西空港到着
朝起きると今日がもう最終日である。流れが速すぎて全く実感が湧かない。まあ悲しむ暇もないので私にはちょうどいいかもしれない。
本日は韓国旅行のハイライト、DMZ第3トンネル観光ツアーである。何かと話題が尽きない北朝鮮を見れるので楽しみではある。
そもそも1900年代の歴史は好きなので、日本敗戦~朝鮮戦争~現代までの歴史はここに来るまでに勉強していた。
結果的に強く思ったのは、このDMZツアーに参加する前に朝鮮戦争については勉強しておくべきだと思った。
行く先々が朝鮮戦争と深く関りがある地域なので、歴史を知っているかどうかでツアーの重みが全く違う。
ウィキペディアで検索するだけで十分情報が出てくるので、事前予習しておくことを強くおススメしたい。
光化門駅近くの大きなホテル「コリアナホテル」に7:10集合なので、遅れないように電車に乗る。しっかりと5分前には到着した。
下記に実際に筆者が申し込んだツアー会社を紹介しておくので、気になる方はメールしてみてほしい。
実際に申込みをした現地旅行会社はこちら⇒国際文化サービスクラブ
または現地ツアー取扱会社のKKdayを利用すると簡単にネットから予約することもできる。筆者は韓国のツアー会社に直接問い合わせて予約したが、今思うとこちらからの方が支払い方法や予約方法は圧倒的に簡単である。下記にDMZツアー詳細に直接飛ぶリンクを貼っておくので良かったら見ていってほしい。
DMZツアー予約はこちらから【KKday】現在は様々な理由で板門店に訪れるツアーは催行していないとのこと。
現地ツアー会社もいつ頃再開されるかはまだ分からないようです。
筆者が申し込んだツアーは「DMZ第3トンネルツアー」
観光地は「臨津閣(イムジンカク)」→「都羅展望台(トラチョンマンデ)」→「第3トンネル」→「統一村」である。
これはほかのツアー会社と被らないよう順番は都度変わるようだ。
さてツアー本題だが、コリアナホテル前で待っていると大型の観光バスが到着した。
名前を呼ばれバスに入るとすでに満席に近い状態であった。
このツアーは人気があるようで、日本人観光客も毎日たくさん参加しているとのこと。
見た感じ夫婦やカップル、男性同士や女性同士の友人など年齢性別関係なく参加している印象を受けた。さすがに子供はいなかったが。
コリアナホテルでの参加者をピックアップしたバスは、最後のピックアップ場所のお客様を乗せてまずは「臨津閣(イムジンカク)」へと向かった。
臨津閣(イムジンカク)
臨津閣から北朝鮮の大都市・ケソンと韓国・ソウルの距離を示している。すぐそこに北朝鮮があることが分かる。
information
バス所要時間 | ソウル~臨津閣 約50分 |
食事 | レストランが数店あり |
売店(お土産) | 駐車場正面と銃撃された汽車周辺に小さい店あり |
トイレ | 駐車場正面の施設内にきれいなトイレあり |
臨津閣到着前にバス内でツアー参加者のパスポートを回収される。
これは後程向かうことになる制限エリアの詰所にいる軍人さんに提出するためだ。
また、専用の用紙に自分の名前(ローマ字)と電話番号を記入する。これも軍人さんに出すようだ。
そしてツアー客の認識のために下記写真の物をくれるので首からさげておこう。
まずバスから降りると正面の大きな複合施設に入る。2Fに上がり外に出ると観光開始である。
臨津閣は見どころが数か所あるので、まずガイドさんとすべて周ることになる。
今回は日本語ツアーを申し込んだのですべて日本語で説明してくれる。
やはり各場所で説明してくれると南北分断の重みが伝わってくる。
つくづく日本語ツアーに参加してよかったと思う。
一通りガイドさんと回った後、自由行動の時間が25分ほどあった。
望拝壇
一般人が特別な手続きなしに北朝鮮に近づける最も近い場所がこの臨津閣だ。
よって朝鮮戦争時に北と南で離ればなれになった離散家族らが、この北朝鮮に一番近い臨津閣で
離れ離れになった家族を思い、祈りを捧げるところがこの望拝壇になる。
この望拝壇の向こう側7キロ先が北朝鮮だ。離散家族のお話を聞くと心が締め付けられる思いがある。
望拝壇の裏の石絵。絵の柄は祖国に帰れない方のために北朝鮮の有名観光地が描かれている。
平和の鐘
朝鮮戦争時代に使われた銃やヘルメットを溶かして作られた鐘である。
当時の武器を平和の象徴に作り替えるとは驚きの発想である。
砲撃された機関車
朝鮮戦争中に砲撃された機関車がそのまま展示されている。生々しい砲弾の跡が無数に空いている。
戦争の悲惨さを後世に伝えてくれる。
自由の橋
朝鮮戦争の停戦協定が結ばれた際、北朝鮮側にいた捕虜約1万3千人が韓国に帰ってくる際に使った橋。
帰還の際に「自由万歳」と叫びながら帰還したため、この橋は自由の橋と呼ばれている。
ほんとの名前は「臨津江鉄橋」。停戦後は民間人出入統制区域や板門店へ向かう橋として利用されていたが、統一大橋が開通したことによりこちらは使われなくなった。
統一大橋は次に向かう展望台や第3トンネルへのアクセスに使うことになる。
祖国統一の願いが込められた旗。
統一大橋~検問所~ドラ展望台
次のドラ展望台に向かう際に検問所を通ることになる。
ここで韓国の軍人さんにパスポートを提示しなければならない。
何事もなければ通常15分前後でドラ展望台に到着するのだが、筆者が乗っていたバスは検問所でトラブル?があり、結果30分以上かかって展望台へと到着した。
因みに統一大橋から検問所までの直線は、韓国ドラマ「愛の不時着」の有名なシーンのロケ地なのでファンの方はぜひ撮影してほしい。バスで通過するだけなので撮影難易度はかなり高いが。
筆者も愛の不時着のファンなので興奮気味に写真を撮ったが全然うまく撮れなかった。
ガイドさんに急に言われたのもあるので、写真を撮りたい方は統一大橋を渡ったら心構えをしておこう。
ドラ展望台
information
バス所要時間 | 臨津閣~ドラ展望台 約15分※検問所の確認作業により前後します。 |
食事 | 展望台内にレストランが1件あり |
売店(お土産) | 無し※筆者が調べた限りありませんでした。 |
トイレ | 展望台内に綺麗なトイレあり |
バス駐車場の目の前には以前に使われていたドラ展望台がそびえ立っているが、今回はこちらではなく駐車場から徒歩3分のところにある新しいドラ展望台から北朝鮮の街並みを見学するようだ。
駐車場前にある旧ドラ展望台。大きな文字で「分断の終わり、統一の始まり」と書かれている。
旧展望台から新展望台までは壁に統一を願う活動を紹介している写真が掲載されている。
지뢰=地雷
軍事境界線には無数の地雷が仕掛けてあり、すべて撤去するのには約130年かかるといわれている。
ツアー中いたるところにこのマークがあり、北朝鮮との緊張状態がうかがえる。
ドラ展望台内にあるソウルとピョンヤンの時計。現在は同じ時を刻んでいるが、2018年まではお互いの国で時差があった。30分の時差というのも我々日本人にはなじみが薄い。
休憩室。誰でも利用可能。大きな窓の向こう側に北朝鮮が見える。
展望台屋上。ここには20台以上の双眼鏡が設置されている。バス内でガイドさんが、4双眼鏡で見れる北朝鮮の建物を紹介してくれるので見つけてほしい。
展望台から見えるもの
- 金日成の銅像
- 韓国・北朝鮮の国旗
- 板門店
- 開城(ケソン)工業地区
- 開城特別市(ケソン)
- 宣伝村etc…
正直もっと説明されたが、記憶力不足で正式名称が思い出せないものがいくつかある。
ソウルまで射程に入っているミサイル?がある山や電波塔のようなもの、監視塔、ケソンの街の真ん中には「我が国が最高だ」的な文字が書かれたプロパガンダなど。
北朝鮮人も見れた。自転車に乗って未舗装であろう道をガタガタとこいでいた姿を見て、自転車なんてあるんや!(当たり前だろ謝れ!)と嫌味なく思ってしまった。
ただ、車が走っている姿は1台も見かけなかった。
奥中心部の高層ビルが並んでいるのがケソン特別市。写真では見えないがケソン市街地の奥にプロパガンダが見える。左奥には電波塔が見える。
こちらはケソン工業地区。以前は韓国人と北朝鮮人の共同で働く場所として南北の歩みの象徴になっていたが、状況の悪化により今は韓国が完全撤退している。記憶に新しい南北連絡事務所の爆破事件もこのケソン工業地区に存在する。望遠鏡で除けば爆破の跡がみられる。
これらの写真は一眼レフカメラの望遠レンズ(200mm)で撮影したもの。
デジカメやケータイではかなり遠くに写ってしまいそうだが、うまく双眼鏡に押し当てて撮影すれば
望遠レンズ以上の倍率で撮影可能だ。
ただしレンズがきれいな双眼鏡で撮影しないと写真全体が白くくすんでしまう。
ここでも約25分くらいの自由時間があるのでゆっくり双眼鏡を除くことができる。
しっかりと展望台からの景色を堪能した後は、再びバスに戻り第3トンネルに向かった。
第3トンネル
information
バス所要時間 | ドラ展望台~第3トンネル 約10分 |
食事 | なし |
売店(お土産) | あり DMZツアーの中では最もDMZ感が強いお土産が買える。 最後に行く統一村には食べ物系のお土産が多い。 |
トイレ | きれいなトイレあり |
バス駐車場に到着後、初めに展示室のような施設に行き、5分ほどのシアターを見た。
内容は朝鮮戦争と北朝鮮がソウル陥落のために掘ったトンネルについてだ。
現在見つかっているトンネルは全部で4つあり、今回はそのうちの一つである第3トンネルに入っていくというものだった。
定かではないが、北朝鮮は合計10のトンネルを掘っているとされる。
それらすべてがソウルに兵士を送り、攻撃するために掘り進められている。
要するにあと6つ見つかっておらず、北朝鮮がその気になればまたトンネルを掘り進めることができる状況らしい。考えただけで恐ろしい話である。
第3トンネル内はカメラやケータイの所持が禁止されており、あらかじめ鍵付きロッカーに入れておく必要がある。くれぐれも持っていかないように。
資料館に展示してある北朝鮮軍がトンネルを掘っている姿。ほかにも朝鮮戦争で使われた武器やジオラマなども展示してあった。
まずトンネル入り口に行くため、ヘルメットを被り急な下り坂をどんどん降りていくことになる。
歩き始めて10メートルほどで洞窟にいるようなひんやりとした寒さを感じた。
相当な急こう配で下るのも大変だが、観光を終えて地上へのぼってくる人を見てると息切れしている人が何人もいた。5分近く歩いてやっと入り口に到着したので、帰りはかなりきついのが分かる。
そのため歩きなれたスニーカーで観光することをおススメする。トンネル内も水たまりがあったりするのでお気に入りの靴で行くのはちょっと…な気がする。
ちなみに今回のツアーでは使わなかったが、隣に第3トンネル入り口まで続くケーブルカーのようなものがあるのでそちらに乗れるのであれば乗ってしまってもいいのかもしれない。
トンネル入り口横には湧き水が出ているので飲み水として飲むことができる。
せっかくなので筆者も飲んでみたが、とても冷たく癖がないすっきりとした飲みごこちで美味しかった。
体質上とてもお腹が弱いのだが、特にお腹を壊すわけでもなかったので皆さんもぜひトライしてほしい。こんなところの水なんてもう一生飲めないかもしれないから。
トンネルの長さ1,635メートルの内、約350メートルほど歩くことができる。
高さは大人1人分、幅は大人2人がすれ違えるくらいしかない。
このトンネルを使って北朝鮮は、1時間に約3万人ものの兵士をソウルに送ることができるらしい。
トンネルの最終は壁で塞がれており、隙間から奥が見える状態になっていた。あと170メートル先が北朝鮮である。
板門店に行けない現在において最も北朝鮮の近くまで行けるのが第3トンネルである。
とても貴重な体験をし来た道を戻っていくのであった。
売店ではDMZツアーらしいお土産(Tシャツ、キーホルダーなど定番のお土産)が売っていた。
筆者はご当地でしか買えないものが大好きなのでDMZのタンブラーを購入。
未開封のまま机に飾ってある(笑)
南北統一を願った銅像。向かって左の半円が韓国、右が北朝鮮の地図になっている。
時代が進み、言語・貧富・文化・政治など様々な方面でズレが大きくなっている。
南北統一が本当に正しい道なのかは分からないが、両国の戦争が終結し、お互い尊重しあって生きていけるような世界になってほしい。
DMZ(Korean Demilitarized Zone)⇒軍事境界線の有名なモニュメント。
いつかは気軽に北朝鮮に観光できる日が来てほしい。
統一村
information
バス所要時間 | 第3トンネル~統一村 約10分 |
食事 | あり アイスクリームが人気 |
売店(お土産) | あり |
トイレ | 普通のトイレあり |
こちらは下車せず車窓から村を眺めるのみである。
村の施設のお土産物屋さんに停車するが、自由時間は約15分と短い。
しかし施設自体は広くないので15分あれば十分間にあう。
この地区では大豆(だった気がする)が特産であり、それを入れ込んだアイスクリームが人気のようだ。
店舗は露店風でお客さんの回転が悪いので、お土産を買うつもりがないならバスから降りてすぐに列に並んだ方がよい。露店はお土産施設入り口の左側にある。
帰り道
約50分かけてソウルへと戻ってくる。下車場所は3か所あり、どこでおりても良い。
梨大(イデ)/コリアナホテル前(光化門カンファムン)/明洞(ミョンドン)のいずれかを選択する。
14:00頃ミョンドンで下車した筆者はラストスパートをかけるため、ミョンドンの町へと吸い込まれていった。
明洞(ミョンドン)
昼食を食べていなかったので、迷った挙句屋台での食べ歩きをすることにした。
あまり物欲がない筆者でもこの屋台を練り歩くだけで楽しくなる。
この町全体がごちゃごちゃしている雰囲気は旅をしている気分になり楽しい。
ミョンドン駅から続いている明洞8キル通りは通称「コスメ通り」と呼ばれており、ミョンドンのメインストリートである。
コスメ関係のお店がひしめき合っており、お土産屋さん、スーパーなど何でも揃うので、お土産探しにはもってこいのエリアである。午後からは屋台が出るのでお腹も満たされる。
ハットク購入。中までぎっしりチーズで美味しかったが少し冷めてチーズが固まっていた。もっと伸びれば最高だった。
明洞でお土産を購入し、徒歩で南大門市場へ向かった。
南大門市場までの道中
ミョンドンから南大門市場までは徒歩で行ける距離だ。
道中面白い信号に出会った。それは歩道(地面)に信号がついているというもの。
現代人なら経験があると思うが、横断歩道の前で信号待ちをしているときにケータイを見る方も多いだろう。そんな方用に地面に信号が埋め込まれているのだ!
下を向いていても信号が分かるなんてなんて画期的なんだ!
日本にあるのか?筆者は見たことがない。
信号が変わるたびに連動してこちらも色が変わる。
南大門市場
ここの市場はとにかく広い。ありとあらゆる商品が陳列されており、東大門市場と並び2大ショッピングエリアのひとつである。
おそらく店舗に入らず歩くだけでも1時間はかかるだろう。買い物を楽しむ際は2~3時間は欲しいところか。
チェジュ島で採れたミカンを使ったジュース。とれたてを搾ったようなフレッシュさと濃厚な味がとてつもなくおいしい。
ローカル感漂う狭い路地。ご飯屋さんが密集していた。このごちゃつきたまらない。
こういう路地良いですよね~。
ソウル駅~仁川国際空港へ
南大門からソウル駅まで散歩がてら歩き、ソウル駅から仁川国際空港に電車で向かった。
仁川国際空港
仁川国際空港駅の改札を出ると、Tmoneyカードは必要なくなる。
改札口にチャージ残金の返金手続きができる機械があるのでそちらでお金を戻しておこう。
また韓国を旅行する方は返金手続きする必要なない。
さすが韓国のハブ空港だけある。めちゃくちゃ広い。
道に迷いそうになりながらチェックインを行い、少し早めの夕ご飯を探しに行く。
ソウル最後の食事はわかめスープ。
韓国ではわかめスープは縁起が良いものとされ、お祝い事や誕生日、主産後の妊婦さんが食べるそうです。これがまたおいしい。
日本では考えられない量のわかめと牛のダシがよく効いているスープが相性が良い。
魚はサバの塩焼き。こちらもおいしい。味付けは日本の味付けと変わりなし。
出国審査後の出発ゲートにて撮影。個人的にはどこの海外にもある?天井にささっている赤いデジタルの時計を見ると帰国の実感が湧いてきて切なくなる。
しかしまた必ず韓国には旅行に来るだろう。まだまだ行きたいところはたくさんあるし、なんだかんだ1泊2日は短い。
次回を楽しみにして岐路につくとする。
まとめ
今回は1泊2日の弾丸ツアーだったが、初日は午前中の内に入国でき、2日目も夕方までソウルを堪能できたので滞在時間としてはそこそこ長く楽しめた。
DMZツアーは考えさせられることが多く、離散家族を思うと心が痛くなる。
こうした戦争の現状を色褪せさせることなく後世につないでいってほしいと思う。
ソウルに遊びに来たらぜひおススメしたいツアーだ。
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