2024年11月以降、短期の中国渡航の際にビザの申請が不要になった中国。数ある都市の中でも上海は日本から約2時間半ほどで到着することができ、多くの観光資源がそろっているため、現在注目が高まっている渡航先です。
そんな中国でお土産を買う時、ホテルの支払い、ランチやディナーなどの支払いはどうすればいいのか?今回はその他外国とはちょっと異なる中国の支払い事情について解説していきます。
中国では現金が使えない?現地検証結果

実際に私が上海を訪れて現金を利用してみたところ、約半数のお店が現金を利用できない結果となりました。
理由はさまざまですが、現金対応していないお店や、現金で支払いができたとしてもお釣りのストックが無いケースもありました。(このケースはスマホに後日利用できるクーポンを送ってくださいました)
お店が現金対応しているかどうか確認する方法は正直ありません。お店の設備や新しさなど関係なく、見た目では判断できません。特に現金が利用できるような看板もありませんので、直接お店のスタッフに確認するしかないでしょう。
私が上海を訪れたのは2025年5月であり、目まぐるしく進むキャッシュレス化の影響で、今後さらに現金が利用できない店舗が増えていくと考えられます。
今回、上海を例に出しましたが、上海や北京などの大都市ほどキャッシュレス化している施設が多くなります。
逆に地方都市を訪れると、まだまだ現金の利用率は高くなります。

中国人の知人が廈門(アモイ)に住んでいますが、まだまだ現金は流通しておりキャッシュレス決済と併用している状態です。都市によって現金が利用できるかは大きく異なるようです。
中国旅行でのおもな決済方法一覧
それでは私たち外国人が中国を旅行する際、どんな方法で決済するのがよいのか。
中国を旅する旅行者が利用できる主な決済手段としては、主に以下の3点が挙げられます。
それぞれの詳細を確認していきましょう。
QRコード決済(アリペイ、ウィチャットペイ)


中国本土で近年急激に浸透しつつある決済方法です。その普及率は大都市はほぼ100%に近いと思います。私が上海で訪れた施設はすべてQRコード決済が可能でした。それは施設の規模や古さは関係なく、たとえ屋台のような小さなお店であってもQRコード決済に対応しています。
QRコード決済とは、スマートフォンにQRコード決済アプリをインストールし、レジにてアプリ内のQRコードを提示、またはお店のQRコードをカメラで読み取ることによって支払いが完了する決済方法です。中国で代表的なQRコード決済アプリは支付宝(アリペイ)と微信支付(ウィチャットペイ)となります。
日本のPayPay や楽天ペイと似た性能となっているので、普段日本でQRコード決済を利用している方はスムーズに利用できるはずです。
上海や北京など、中国を代表する大都市を訪れる予定のある方は、強くQRコード決済アプリをインストールしていく事をおすすめします。メインの支払い方法をQRコード決済にして、何らかのトラブルでQRコード決済ができない状況に陥った時のために、サブの支払い方法として現金を持っておくようにしましょう。

人によっては現金を持ち歩かない人もいるほど、大都市ではQRコード決済が浸透しています。
支付宝(アリペイ)と微信支付(ウィチャットペイ)はどちらをインストールすべきなのか
中国で浸透している支付宝(アリペイ)と微信支付(ウィチャットペイ)。どちらをインストールすべきなのか迷われる方もいらっしゃると思います。結論を書くと、どちらもインストールしておくのが理想です。
中国を旅行していると、たまにあるトラブルとして「支払いの際にウィチャットペイではエラーが起きたのにアリペイでは支払いができた」ということがあります。もちろん逆パターンもあります。基本的にはどこのお店もQR決済が可能であれば、アリペイもウィチャットペイも両方利用できます。どちらか片方しか対応していないことは滅多にありません。(私も上海滞在中、一度も見ていません。)
しかし現実にそういったエラーが起きる場合があるので、万が一のために両方のアプリをインストールしておくことをおすすめいたします。
しかしどうしてもどちらか1つを選ぶのであれば、アリペイをおすすめします。
アリペイをおすすめする理由
初期設定の難易度自体はどちらも難しくありません。ただしアリペイは手順が少ない一方、ウィチャットペイはアリペイと比較すると入力項目が多いので、アリペイの方が早く初期設定を終えることができます。
また、実際にお店で決済する際もアリペイの方が手順が少なく便利です。これはアリペイが支払い専用のアプリのため、決済に関わる行動がスムーズにできるよう工夫されています。
一方ウィチャットペイは日本でいうLINEのようなチャットアプリであり、その機能の1つとしてQRコード決済機能が存在します。アプリ立ち上げ時にチャット画面が開いてしまうため、支払い画面を開くまでに何度かタップを経由する必要があります。

あくまでどちらかを選択した場合の話です。おすすめは両方のアプリをインストールすることです。
アリペイの設定・利用方法の解説ページは下記より確認できます。
【中国】アリペイの設定や利用方法、使用感を上海を訪れ調査!徹底解説!
クレジットカード

中国でもクレジットカードを利用することができます。ただしこちらは限られた施設でのみ利用でき、多くの決済には対応していない場合がありますので注意が必要です。
その理由はクレジットカードの発行国が中国かそうでないかにあります。
例えば日本で発行したクレジットカードの場合、たとえ国際ブランドがVISAやMastercardなどの世界で広く利用できるブランドだとしても利用できない場合があります。これは店舗がVISA・Mastercardの利用可能店と提示していても利用できないという意味です。
では銀聯カード(ユニオンペイ)は利用できるのか。銀聯カードとは、クレジットカードの国際ブランドの一つであり、中国が発行しているブランドになります。近年、日本でもお店のレジに銀聯カードのマークを見かけることが多くなりました。
まず結論ですが、銀聯カードであっても日本発行のカードの場合は中国本土で利用できない場合があります。やはりVISAやMastercardなどと同様で、クレジットカードは中国発行か外国発行かによって利用できる施設量が大きく変わってきます。
銀聯カードの場合、クレジットカードを店員さんに渡すと中国発行か外国発行なのかを確認されます。外国発行されたクレジットカードが店舗利用できない場合はそこで利用できない旨を伝えられ、たとえ利用できる店舗だとしても拒否される場合もあります。
これは中国発行と外国発行された銀聯カードでは、お店側が支払う手数料が異なってくるからです。お店側も手数料が高い外国発行のクレジットカードを使われたくないということでしょう。
総じて中国では日本で発行されたクレジットカードは利用しづらい環境になっています。ただし、すべての施設が利用できないわけではありません。日本で発行されたクレジットカードを利用したい場合は、お店側に一度確認をとってみましょう。

経験上、高級ホテルでは日本で発行されたクレジットカードが利用できました。また、銀聯カードにおいてはその他国際ブランドよりも多くの施設で利用できるように感じました。
ただしVISA・Mastercardを持っているのであれば、ATMから海外キャッシングを利用して現金を引き出せるため、1枚は持っておくのが安心です。海外キャッシングは、状況によって外貨両替よりお得に中国元を引き出せるので利用するのも一つの手です。
現金

キャッシュレス大国といわれる中国では、年々現金の利用率が低下し、現金に変わるQRコード決済が主流となってきています。これは首都北京や上海などの大都市では特に顕著です。
現金利用が少なくなっている原因の一つとして偽札対策が挙げられます。中国では偽札が出回っており、2015年には偽札防止技術を採用した新100元札も発行されるほどの社会問題になっています。こうした偽札に対応するように、キャッシュレス決済のアリペイ又はウィチャットペイが中国全土に普及し始めました。
私が訪れた上海の場合、お店によっては現金を受け取ってくれない所もありましたし、現金支払いできたもののお釣りが無く、代わりにスマートフォンに電子クーポンが送られてきたこともありました。また、基本的に自動販売機では現金が利用できません。たとえ硬貨の投入口があったとしても反応しませんのでご注意ください。
上海を走る軌道交通(地下鉄)の場合、乗車券を購入する券売機は現金が利用できません。こちらも自動販売機同様、コインを入れる穴はあるものの、入れても反応しないのでご注意ください。QRコード決済にて購入するのが主流となります。
どうしても現金で購入したい場合は、客務中心(サービスカウンター)の駅員を通して購入することになりますが、客務中心に駅員がいない場合があったり、お釣りの現金が無かったりするので非常に時間がかかります。
今後、中国の現金使用率はどんどん下がっていくと思われます。まだ現金が利用できるお店もありますが、断られるお店があるのも事実です。

現金だけで中国の大都市を旅行するのはほぼ不可能に近いです。
しかし現金をまったく持ち歩かないのも不安が残ります。
その理由として、QRコード決済が何らかのトラブルで利用できなかった際に、現金支払いで決済するためです。実際私もこのトラブルが数回ありました。現金で支払うと、お釣りがないためクーポンをいただいたケースもありました。
現金はこういった最終手段として少額持って行った方が安心です。
そんな中国元は手に入れる方法もちょっと特殊です。下記に中国元の両替方法を解説した記事を載せておきます。
【中国】中国元のおすすめ両替方法はこれだ!各手段のメリット・デメリットを徹底解説
結論:中国ではQRコード決済が圧倒的に便利!
最後に各決済方法の特徴をまとめておきます。
基本はQRコード決済を利用し、お守り代わりに現金を少量持っていき、ATMキャッシングにクレジットカードを利用するように考えておけば、中国旅行で困ることな無いでしょう。