2024年11月以降、短期の中国渡航の際にビザの申請が不要になった中国。数ある都市の中でも、上海や北京は日本から約2時間半ほどで到着することができ、多くの観光資源がそろっているため、現在注目が高まっている渡航先です。
そんな中国を旅行する際、どのようにして中国元を調達するのがよいのか。日本の空港?現地の空港?それとも市内の両替所?今回は日本円から中国元に両替する方法をメリット・デメリットをふまえて紹介していきます。
両替方法紹介の前に…中国では現金が使用できない店舗が増えている?

キャッシュレス大国といわれる中国では年々現金の利用率が低下し、現金に変わるQRコード決済が主流となってきています。これは首都北京や上海などの大都市では特に顕著です。
現金利用が少なくなっている原因の一つとして偽札対策が挙げられます。中国では偽札が出回っており、2015年には偽札防止技術を採用した新100元札も発行されるほどの社会問題になっています。こうした偽札に対応するように、キャッシュレス決済ができるスマホアプリ、アリペイ又はウィチャットペイが中国全土に普及し始めました。
私が訪れた上海の場合、お店によっては現金を受け取ってくれない所もありましたし、現金支払いできたもののお釣りが無く、代わりにスマートフォンに次回使える電子クーポンが送られてきたこともありました。また、基本的に自動販売機では現金が利用できません。たとえ硬貨の投入口があったとしても反応しませんのでご注意ください。
私の経験上2025年8月現在の上海では、現金が利用できる割合は約70%ほどでした。ただし、この数値は滞在中にランダムに現金を利用してみた場合の数値なので、100回200回と回数を重ねた結果ではありません。あくまで目安として参考にしてください。
今後、中国の現金使用率はどんどん下がっていくと思われます。まだ現金が利用できるお店もありますが、断られるお店があるのも事実です。観光客にとってQRコード決済は必須といえるでしょう。
下記に中国QRコード決済の定番アプリ「アリペイ」の登録方法や利用方法を解説したページを張り付けておきます。
【中国】アリペイの設定や利用方法、使用感を上海を訪れ調査!徹底解説!
中国元の両替方法5選!

都市部ではキャッシュレス決済が主流となりつつある中国ですが、何かと現金も持ち合わせがないと不安になります。大都市以外では現金も十分に流通しているのが事実です。
中国元の両替方法は主に5つの方法があります。
日本円→中国元の両替方法
- 中国銀行(市内・空港問わず)
- その他一般銀行/海外キャッシング
- ホテル
- 民営両替所
- 日本での両替
一般的にグラフの上ほどレートが良くおすすめの手段、下に行くにつれてレートが悪くなるため、できる限り避けたい両替方法になります。
中国銀行

今回紹介する中で一番レートが良く、おすすめしたい方法なのが、中国銀行での両替です。
中国銀行とは、北京市に本店を置く中国大手の銀行です。銀行の看板には「中國銀行BANK OF CHINA」と記載されているので、すぐに判断できると思います。
中国銀行では基本レートでの両替が可能です。ホテルや民営の両替所では切り捨てられてしまう1元以下の端数も受け取ることができるので、高レートで両替手数料も少なく、端数切り捨ても無い中国銀行が現状で一番交換レートが高い方法となります。
銀行の窓口で現金を中国元に両替する際は、お金とパスポートを一緒に窓口へ渡します。お金を受け取ったら、その場で金額を確認しましょう。紙幣の破れや枚数が少ない場合がありますので、その際はすぐに窓口に伝えましょう。いったんその場を離れると、対応してくれない可能性が高いです。
また、銀行によっては両替の際に中国銀行の口座を持っていないと両替ができなかったり、中国で使用できる携帯番号が必要との情報が書かれている参考書やウェブサイトもあります。しかし私が上海の銀行で両替をおこなった際は、パスポートの提出のみで両替が可能でした(2025年8月)。事実、上記のようなケースもある可能性はゼロではありませんが、私のようにパスポートだけで両替できるのも事実なので、まずは身構えずに銀行に行き、パスポートだけで両替できるのか確認して、無理なら次の銀行に行けばいいと思います。
その他一般銀行/海外キャッシング

ここでは中国銀行以外の銀行を総称して一般銀行としています。一般銀行では中国銀行のレートに、若干の手数料が加算されていることが多いです。この手数料は銀行により様々ですが、大きな差はありませんので銀行の種類は無理にこだわる必要はないでしょう。
街中にはいたるところに銀行があります。銀行による大きなレートの違いはありませんので、近くの銀行で両替してしまいましょう。両替方法は中国銀行と変わらず、パスポートと日本円を窓口に持っていくだけで大丈夫です。万が一ケータイ番号が必要といわれた際には、別の銀行で再度両替をしに行きましょう。
また、クレジットカードをお持ちの場合、海外キャッシングもお得に中国元を手に入れられる方法の一つです。キャッシングという言葉に抵抗がある方もいると思いますが、海外では現地で両替するより結果的にお得になる場合が多いです。
月々の返済を繰り上げ返済にすることによって支払い料金を抑えることができ、通常の両替手数料と比較して安くなるというわけです。
海外でキャッシングをする際は、事前に日本で海外キャッシングができるように申し込みが必要です。カードによりますが、申し込みから海外キャッシングができるようになるまでに数日~数週間かかりますので、渡航日から逆算して余裕をもって申し込みしましょう。
注意!:中国でクレジットカード決済はできない?
クレジットカードがあるなら、海外キャッシングではなくクレジット払いにすればいいのではないか?確かに海外でクレジットカードで支払うのは、大金を持ち歩かなくてよいため盗難などのリスクが少なく、非常に便利な方法です。
しかし中国の場合、日本で発行したクレジットカードは、たとえ国際ブランドがVISAやMastercardなどの世界で広く利用できるブランドだとしても、利用できない場合があります。これは店舗がVISA・Mastercardの利用可能店と提示していても利用できないという意味です。中国では日本で発行した国際ブランドは対応していない場合が多く、店員さんが断ってくるケースもあります。

基本的にはクレジットカードは利用できないと考えて、別手段の決済方法を利用する方が無難です。一部、高級ホテルの現地決済で、日本発行のクレジットカードが利用できるホテルもあります。
ホテル

基本的にホテルでのレートは銀行と比較して悪いケースが多いです。1元以下の端数は切り捨てられるのが一般的で、ホテルによっては両替をしていないホテルもあります。私の場合は3つ星ホテルに宿泊しましたが、両替には対応してくれませんでした。両替はそこそこグレードが高いホテルに絞られる可能性が高いです。

ちなみに5つ星ホテルに宿泊した際には両替可能でした。ホテルでの両替を重要視される方は、事前に問い合わせておく方が確実です。
民営両替所

民営の両替所と記載していますが、基本的には街中で両替所を見つけることが難しいかもしれません。私が上海に行ったときは、両替所はあまり見かけませんでした。なのでこちらの両替所は空港内の両替所をベースとしています。
国際線到着口に必ずといっていいほどある両替所。こちらの両替所は中国銀行と比較して、基本レートが悪いです。これは海外の空港あるあるですね。そして1回の両替手数料が40~60元ほど必要になってくるので、トータルするとかなり引かれた状態で中国元と両替することになります。
空港に到着した瞬間から中国元が必要な方を除いて、できるだけ市内に入ってから銀行で両替するのが理想になります。もし両替するなら必要最低限の中国元だけにしておきましょう。

中国はアジア屈指のキャッシュレス先進国。とっさに現金が必要になるケースは稀です。
日本での両替

基本的にはおすすめできない方法となります。レートが悪い場合が多く、手数料も発生します。銀行と両替所ではレートが異なり、両替所のほうがややレートが良い場合があります。大量の両替の場合は、両替所を利用すると悪くないレートで中国元を手に入れられる場合がありますが、そもそも中国では現金は主流ではないため、大量の中国元を持っていく必要性は感じられません。
理想の両替場所はどこなのか?
5つの両替方法をまとめましたが、結局のところどれを利用するのがいいのかを下記にまとめました。
結論:市内の中国銀行または一般銀行での両替がおすすめ!
両替レートの観点から見て、中国銀行または一般銀行で両替するのがおすすめです。中国はキャッシュレス社会であり、アリペイまたはウィチャットペイをスマホにダウンロードしている場合、急に現金が必要になる可能性は低いです。
つまり空港到着時に、無理にレートが悪い両替所で両替をする必要が無く、市内まで決済アプリを利用して向かうことができます。市内到着後に街歩きをしながら、銀行を見かけたら両替をする程度に考えておけば十分です。※中国では現金よりもアリペイ、ウィチャットペイでの決済の方が浸透しています。
ただし、銀行の営業時間には注意が必要です。一般的に中国の銀行は17:00前後で閉まるところが多いです。もし銀行の営業時間外に現金が必要になった場合は、クレジットカードのキャッシングを利用して中国元を引き出すのがおすすめです。
コンビニなどの夜営業しているお店であれば、備え付けのATMでいつでもキャッシングができます。レートも銀行両替と大差は無く、繰り上げ返済をすることによって、むしろお得に中国元を引き出せる可能性もあります。
まとめ:選択肢を知り、臨機応変な両替方法で快適な中国旅行に!
いかがだったでしょうか。様々な両替方法がある中で、銀行での両替がお得でおすすめできる方法になります。ただし、これはあくまで両替レートを優先した結果です。
現地での両替が不安な方には、日本で両替していくことで安心感がありますし、近くに銀行が無い場合は、ホテルで両替するケースもあると思います。
様々な両替方法を知っておけば、中国の滞在中に臨機応変に対応できますので、滞在スタイルに合った両替方法を探して、快適な中国旅行になればと思います。