2024年11月以降、短期の中国渡航の際にビザの申請が不要になった中国。数ある都市の中でも上海は日本から約2時間半ほどで到着することができ、多くの観光資源がそろっているため、現在注目が高まっている渡航先です。
上海といえば、中国有数の大都市として有名であり、浦東の超高層ビル群や特徴的なフォルムの東方明珠電視塔、上海最大の繁華街の南京東路など都会のイメージが強いですが、上海中心部にも昔ながらの中国を感じられる場所があります。それが豫園商城です。
このページでは上海の観光地、豫園商城について解説していきます。
豫園(よえん)とは?

豫園とは、上海市黄浦区にある明時代(1368年~1644年)に建てられた、四川布政使の役人であった潘允端が父のために作った庭園です。潘氏が衰えると一時は荒廃していきましたが、当時の上海の有力者たちによって再建され、現在の姿を残し一般公開されるようになりました。
敷地内は豫園と豫園商城に分けることができ、共に古き中国の建築物を見学することができます。豫園は明時代の権力者が作った庭園を見学できるのに対し、豫園商城は観光地化されており、明時代の建築物にお土産物屋などの商店がひしめき合っています。
豫園商城には多くのフォトスポットや有名小籠包店などが軒を連ねており、今や上海観光には欠かせないスポットとなっております。
アクセス方法
豫園は上海市黄浦区にあり、上海中心部から非常にアクセスが良いです。地下鉄10号線及び14号線の「豫園駅」が最寄り駅であり、下車後は徒歩数分で豫園商城に到着できます。
- 上海浦東国際空港駅から:2号線で陸家嘴駅まで行き、乗り換えのため下車。
- 14号線に乗車し、豫園駅にて下車。所要時間約1時間20分。
- 陸家嘴駅(上海最大の高層ビル群周辺)から:14号線に乗車し、豫園駅にて下車。所要時間約3分
- 南京東路駅(外灘周辺)から:10号線に乗車し、豫園駅にて下車。所要時間約3分

上海中心部にある観光地からは地下鉄で30分とかからずたどり着けます。
豫園駅には複数の出口がありますが、7番出口から地上に出るとすぐに豫園商城入口の大きな城門が見えるので迷うことはないでしょう。

上記画像は豫園駅の7番出口から地上に出た光景です。正面には大きな交差点があり、対面右奥に豫園商城入口の城門が見えます。こちらの城門をくぐるとすぐに歩行者天国が広がっており、両側には中国風の建築物やお土産物屋さんなどが連なっています。
歩行者天国を歩いていくとすぐ右手にお土産やさんがあります。豫園商城の中にはたくさんのお土産屋さんがありますが、その中でも特に大きなお土産屋さんなので、お土産に迷った際はこちらで選べば良いと思います。
店内はお菓子系がメインで揃っており、上海土産はもちろん、世界各国の加工食品が揃っています。
豫園商城の見どころ
豫園商城はお土産巡り、食事や食べ歩き、写真撮影がメインの観光地となっており、2時間〜半日ほどあれば十分に観光することが可能です。
ただし豫園商城の面白いところは、お昼と夜でまったく異なる風景が見られるところ。明るい間は中国建築の本来の姿、色を楽しむことができ、夜はライトアップされた美しい豫園商城を楽しむことができます。

夜は時間帯によってライトアップショーも開催しています。中国のギラギラしたライトアップは一見の価値ありで、多くの人で混雑しています。

豫園商城は上の画像のような明時代の中国建築がずらりと並んでいます。建物の中にはレストランやカフェ、お土産物屋などが入っており、賑わいを見せています。

基本的に建物自体は、明の時代の造りを模したもので比較的新しいものになりますが、上記画像のように年期の入った趣のある建築物も少なからずあります。

平日のお昼過ぎにも関わらず、多くの観光客でにぎわっています。欧米からの観光客が多かったですが、中国人のバスツアー客もかなりの比重を占めていたように感じました。因みに日本人は極めて少ないです。
おそらく休日はさらに観光客が増え、夜のライトアップとなると人でいっぱいになると思われます。

豫園商城で人気のエリアである九曲橋。多くの観光客がこちらで足を止め、写真撮影をしています。池とそこを架かる九曲橋、中国建築物は一見の価値ありです。こちらの周辺には有名な小籠包屋さんの「南翔饅頭店」やお茶屋さんの「湖心亭」、九曲橋を渡った先にある「豫園」など立ち寄り所が豊富にあります。

こちらは九曲橋の夜のライトアップ画像です。人気エリアというのもあり、写真中心部は人だかりができています。夜の豫園商城は写真スポットが至る所にあります。

先ほどの雰囲気とは異なったエリアも存在します。だいぶ近代中国寄りの建築物が多いエリアです。「上海レトロ」という言葉がぴったりな、何か日本人の私でも懐かしくなるような光景が広がっていました。

ライトアップされた上海レトロは、よりノスタルジックな雰囲気に。昭和初期のイメージでしょうか。とにかく雰囲気は最高です。

こちらの窓は液晶になっており、この上海美人は絵ではなく動き出します。レトロ画が動き出すのでなんだか不思議な感覚に陥ります。その光景が珍しいからか、多くの観光客がここで足を止めスマートフォンを向け始めます。

変わったお店を紹介。置物に見えるこちらの動物たちですが、実はすべてチョコレートでできています!とても大きく、奥に見える像やキリンは人間の身長を超えています。そして建物内に入った瞬間から非常に濃いチョコレートの香りが充満しており、この銅像たちが本物のチョコレートでできているのがわかります。

とてもリアルに細部まで作りこまれています。これだけ近づいてもチョコレートなのかわからないくらい精密に作られています。大人、子供関係なくテンション上がること間違いなしなので、見つけたらぜひ立ち寄ってみてください!

夜の豫園商城は煌びやかにライトアップされています。中国らしいガンガンライトアップという感じで、一種のテーマパークのようになっています。でもこれが悪くない。ありのままの中国感が出ていてそれはそれでいいのです。

ライトアップされた屋根がいくつも重なって幻想的な風景を作り上げています。エリアによっては時間限定でライトアップショーも開催されています。

九曲橋周辺のライトアップは大変美しく、多くの方が写真撮影しています。青白く光る湖と温かい暖色系の色で統一された建築物が観光客を引き寄せます。
立ち寄りマストな飲食店・お土産屋さん
豫園商城にはたくさんの飲食店やお土産屋さんが連なっています。今回はそんな魅力的なお店から3軒ピックアップしてご紹介!
南翔饅頭店(なんしょうマントウてん)

1900年創業の老舗有名店であり、上海の小籠包といえば真っ先にこの店名が上がるほどの人気店です。古風な門の奥に店内へと続く入口があるのですが、お昼になるとこの門からさらに列がはみ出ているほど行列が続くときもあります。店内は2階、3階とあり広いので、意外と回転は速いです。
価格は近辺の小籠包屋さんより高めです。ただし1階はテイクアウト店となっており、価格もリーズナブルなのでそちらを利用するのもありです。
九曲橋のすぐ横にあるためすぐに見つけることができます。

テイクアウト店は店内飲食の入口とは異なり、お店の横に注文場所があります。お店に沿って歩いていけば見つかります。こちらもご飯時になると観光客の行列ができます。ちなみに店員さんはとても気さくで優しい方でした。

こちらが南翔饅頭店の看板メニューである小籠包です。テイクアウトの場合は紙皿にお箸でいただくことになります。小籠包の中にはスープがたっぷり入っているので、お箸では少々食べづらいかもしれません。少し冷めてから一口でほおばるのがベストです。

小籠包の皮は厚めで弾力があり、もちもちしています。肉は割としっかりとした歯ごたえで食べ応えがありとてもおいしかったです。1人前で8個いただけるので、ボリュームもありお腹いっぱいになります。

もう一つの看板メニューとしてカニ小籠包があります。こちらは直径15㎝ほどの小籠包の中にカニスープがたっぷり入っています。それをストローで飲むというとても贅沢な一品です。ストローを刺した瞬間からカニスープがあふれ出してくるので急いで飲みましょう。
具材はカニの身や豚肉が入っていますが、中身はそれほど多くなないのでスープを楽しむのがメインとなります。非常に美味しいですが、こちらだけではお腹は膨れないでしょう。
豫園商城の観光に来たならば、こちらの小籠包は絶対に食べておきたいところです。
湖心亭(こしんてい)

こちらは中国茶をいただくことのできるお茶屋さん。九曲橋を渡っている途中にあります。1855年にオープンした老舗茶館です。1階には茶葉や茶器を取り扱うお土産コーナーがあります。中国茶をいただけるエリアは2階にあり、中国建築物の景色を見ながらいただくことができます。中国の最高級茶である極品茶から、美容効果があるといわれる美容養生茶まで茶葉の種類は豊富にあります。お茶請けも充実しており、豫園商城の散策のひと休みにちょうどいい茶館です。

湖心亭の2階は人気エリアで、特に窓際は競争率が激しいです。時間をずらすなどの工夫が必要になります。
沸氏香本鋪

中国のお香を取り扱っているお香専門店です。店内に入るとお香の落ち着いた香りが漂ってきます。イケメンの店員さんは英語が堪能で、色々と説明していただきました。気になるお香に関しては実際に火をつけてくれるので、香りを確認して購入することができます。

質問するたびに火をつけてくれました。全部で5つほど香りを確認できました。とにかく店員さんが親切に対応してくれるので気持ちの良いお買い物ができます。

様々なお香がずらりと並んでいます。全て香りの確認ができるので、気になるお香があればどんどん店員さんに尋ねてみましょう!同じ香りのお香でも燃焼時間が異なっているものや、バラマキ土産に良い小分けタイプも販売されているので、色々なニーズに対応できそうです。
上海土産に日本では購入できない珍しい香りを購入してみてはいかがでしょうか。
まとめ:上海の古き良き風景を堪能しよう!
いかがでしたでしょうか。大都市上海中心部にありながら、いまだ当時の趣ある建造物が残っている魅力的なエリア「豫園商城」。上海旅行のマストで訪れたい観光地であり、多くの外国人観光客が訪れるこの地に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。