2024年11月以降、短期の中国渡航の際にビザの申請が不要になった中国。数ある都市の中でも上海は日本から約2時間半ほどで到着することができ、多くの観光資源がそろっているため、現在注目が高まっている渡航先です。
そんな上海は世界でも有数の国際都市であり、超高層ビル群が立ち並ぶ街並みは、一度は写真で見た方も多いでしょう。
一方で上海中心部にも、レトロな建物が立ち並び、観光地化されている「田子坊」と呼ばれるエリアがあります。
今回は上海旅行の定番スポット「田子坊」について徹底解説いたします。
田子坊とは?

田子坊(でんしぼう)は上海らしい古い集合住宅街を観光客向けに開発したエリアです。昔ながらの建物をリノベーションし、お茶屋さんやお土産物屋さんなど、様々なお店が立ち並ぶ上海有数の観光地となっています。在住日本人からは「たごぼう」と訓読みされて親しまれています。
田子坊は、租界時代(アヘン戦争に敗れた清の国に、外国が清の領土に対して領土的優越権を得た時代。1842年~)に建てられた一般集合住宅が密集していました。そんな集合住宅に、上海出身の画家である陳逸飛がアトリエを作ったことがきっかけで、国内、国外問わずアートクリエイターが集まるようになりました。
現在では多くのクリエイターが集まり、作品制作や販売がおこなわれる「アートスポットの町」として、観光客や地元民に親しまれています。
田子坊には、上海のクリエイターが作るオリジナル作品をはじめ、お茶屋さん、カフェやバー、レストラン、おみやげ物屋さんなど多彩なジャンルのお店が連なっています。自分への特別なご褒美みやげ探しやバラマキみやげ、ランチやディナーなど様々な目的に対応できるエリアとなっているので、きっとそれぞれの楽しみ方を見つけることができます。
また、田子坊はアートな町づくりになっているため、町全体がフォトスポットです。町のどこを切り取っても、それぞれ雰囲気の異なった「田子坊」を写真に収めることができるので、写真好きにはたまらないエリアといえるでしょう。

一方で観光地化が進み、観光客が増えたことにより一般住宅に住んでいる住民とのトラブルも起きています。住民に失礼にならないように節度を持った行動が大切になります。
田子坊観光のおすすめ時間帯は?
それぞれの時間帯におすすめできる点があります。
一番のメリットは観光客が少ないこと。田子坊は上海の有名な観光地なので、昼~夜にかけて観光客で混雑します。
営業時間は各店舗によって異なりますが、9時頃からお店が開き始めます。田子坊エリア自体は早朝から出入り自由なので、9時前からでも散策は可能です。写真映えする建物や路地が多数ありますので、人物を写したくない場合は、9時前に田子坊に散策に出かけるのもありでしょう。
お昼になるにつれて観光客が徐々に増えていき町は活気づいてきます。
田子坊が一番活気づいている時間帯です。お土産、レストラン、カフェ、バーなどあらゆる店舗が営業し、観光客の量も多いです。お店巡りを楽しみたいのであればこの時間帯がベストです。
この時間帯も観光客で混雑しています。ただし時間が遅くなるにつれて混雑は解消されていきます。お店は徐々に閉まりはじめ、飲食店やバー関係は深夜まで営業しています。
夜の田子坊はお昼とは異なった雰囲気があり、ライトラップされた建物や提灯がとてもきれいで中国感満載。写真映え間違いなしなので、夜の予定が無ければこちらも観光の候補になると思います。
田子坊へのアクセス方法

田子坊の最寄り駅は、地下鉄9号線の「打浦橋駅」です。打浦橋駅には1~4番出口がありますが、1番出口から出ると道を挟んだ正面が田子坊エリアなので、1番出口を利用しましょう。
打浦橋駅は上海市内にある駅なので、各観光地からスムーズにアクセスが可能です。
各地からのアクセス方法
- 上海浦東国際空港駅から:2号線で世紀大道駅まで行き、乗り換えのため下車。
- 9号線に乗車し、打浦橋駅にて下車。所要時間約1時間15分。
- 陸家嘴駅(上海最大の高層ビル群周辺)から:2号線で世紀大道駅まで行き、乗り換えのため下車。
- 9号線に乗車し、打浦橋駅にて下車。所要時間約30分。
- 南京東路駅(外灘周辺)から:2号線で世紀大道駅まで行き、乗り換えのため下車。
- 9号線に乗車し、打浦橋駅にて下車。所要時間約35分。
- 豫園から:10号線で老西門駅まで行き、乗り換えのため下車。
- 8号線に乗車し、陸家浜路駅まで行き、乗り換えのため下車。
- 9号線に乗車し、打浦橋駅にて下車。所要時間約35分。
※上記ルートは一例です。地下鉄のみを利用したルートとなっていますが、バスやタクシーを利用する手段もあります。

上海の観光地からは、約30~40分ほどでアクセスすることができ便利です。
田子坊の見どころ

田子坊エリアには多数のお店が営業しており、ゆっくり見て回ると半日は費やすことになるでしょう。逆に、町の雰囲気を楽しみながら練り歩く程度であれば、1時間ほどで回ることができるスポットです。
上記の写真のように、レトロな街並みの中に店舗が営業しています。狭い路地がいくつもあり、最初は道に迷ってしまうかもしれませんが、コンパクトな四角形のエリア内に観光エリアは集中しているので、歩いているうちにマップが分かってくると思います。

田子坊マップが販売しているとの情報がありますが、私は見つけることができませんでした。どこかで販売しているかもしれませんので、興味がある方は購入してみても良いかもしれません。

今でこそ田子坊は有名な観光エリアになっていますが、そこには以前から住んでいる住人の方々がいらっしゃいます。観光エリアに溶け込むように住居スペースがあるので、失礼のないように観光しましょう。

エリア内は多くのレストランやカフェ、バーが営業しており、昼間からお酒をたしなんでいる方でにぎわっています。在住外国人がこぞって飲食店を営業し始めたことから、今では世界中のドリンクやグルメを楽しめるようになりました。

こちらはバッグ屋さん。田子坊にはこういったハンドメイド商品が多く販売されています。ここでしか購入できない商品もあるので、自分みやげを探すのにはうってつけのエリアです。

こちらは中国の伝統工芸品を取り扱うお店の看板。多数の室外機や朱色のレンガ、ごちゃついた電線など、どこを切り取ってもレトロ感ある中国を撮影することができます。電線の束を歩く子供の形をした人形がとてもカワイイです。

中国茶を販売しているお店もあり、中国の定番お土産となっています。どこのお店もたくさんの種類の茶葉を販売しており、多くが試飲もできるシステムとなっています。

個人的におすすめのお茶屋さんは「BLAN BANNY」。お客さんが店内にいっぱいの人気店です。店内に一歩入ると不思議の国のアリスを彷彿とさせるような空間で、とにかくカワイイ造りとなっています。
びっしりと紅茶やフレーバーティーが並んでおり、各茶葉の下には試飲用の急須があります。皆さんこぞって試飲しているので、まったく気負いせずにどんどん試飲できるところもポイント高いです。
そして、茶葉が入っている缶がとても可愛くてお土産にも最適です。1缶から購入でき、セット販売もおこなっているので、個人用、ばらまき用にも喜ばれるお土産でしょう。

私が特に気に入ったお茶は、上記写真のキンモクセイティー。とても香りが良く、味も良かったため購入しました。購入すると、可愛い缶の中に茶葉とスプーンがついてきます。このスプーンも、持ち手がティーポットの形になっておりとても可愛いです。
店内には茶葉の他にもスプーンやマグカップなどが販売されており、そのすべてがBLAN BANNYをイメージした商品となっており、可愛い物好きにはたまらないお店なので、田子坊を訪れた際にはぜひ足を運んでみてください!
最後に
いかがだったでしょうか。上海は時代とともに世界でも有数の大都市に発展しました。しかし田子坊には、昔と変わらない古き良き上海の住宅が残され、アートクリエイターの町として繁栄し、今では上海有数の人気観光地となりました。
お土産探し、町散策、ランチやディナーなど、田子坊には楽しみ方がたくさんあります。上海を訪れた際には、ぜひ田子坊の魅力に触れてみてください!