2024年11月以降、短期の中国渡航の際にビザの申請が不要になった中国。数ある都市の中でも上海は日本から約2時間半ほどで到着することができ、多くの観光資源がそろっているため、現在注目が高まっている渡航先です。
そんな魅力あふれる上海ですが、社会主義国家である中国を観光する際に注意しなければならない点がいくつかあります。中には日本人にはなじみがないルールも存在します。
今回の記事では中国(一部上海特有の注意事項を含む)の気を付けたいルールやマナーを詳しく解説していきます。
これだけは気をつけろ!中国・上海でのルールやマナー

各国にはそれぞれの文化やマナー、ルールが存在します。それは国によって様々であり、その土地に行く以上、ルールを守って楽しく観光したいものです。
中国は日本人に人気の渡航先である韓国や台湾、ハワイやグアム、東南アジアなどと比較しても、独特のルールが存在しており、上記の外国と同じ感覚で渡航してしまうと思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
中には規則を守らないと、せっかくの上海旅行が台無し…なんてこともあり得ます。ルールさえ守れば上海はとても安全で治安が良い地域です。私も滞在中はとても陽気で優しい現地の方に恵まれ、何一つ嫌な思いもせずに帰国いたしました。皆さんにも渡航の際の参考になればと思います。
空港・軍事施設・美術館・博物館など撮影禁止のエリアがある

海外に到着し、気分が高揚してつい空港の撮影をしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、中国でこれをやってしまうのは絶対にNGです。これは空港施設や滑走路、飛行機など空港内にあるすべての物に関して当てはまります。
中国の一部の空港では、民間機の利用の他に軍用機も離発着しているため、軍事機密を撮影される可能性を排除するためです。日本からの離発着が多い上海浦東空港も軍用施設を兼ねそろえているため、撮影は絶対にやめましょう。
隠し撮りをしたり、知らずに撮影してしまったりして万が一発見された場合は、入国すらままならない可能性もあります。
軍事施設関連も空港と同様に撮影はNGですので、カメラを向けるなど疑わしい行為はやめておきましょう。
美術館や博物館などの施設も基本的には撮影NGです。ただしこれらは周辺に撮影禁止の看板があるケースが多いので、そちらに従えば大丈夫です。心配な方は事前に係員に撮影が可能か確認をとっておくと、トラブルを防ぐことができます。
こういったように、中国各地では撮影に関して厳しい対応をとっている施設が街中にちらほら存在いたします。神経質になるほどではありませんが、街中の看板を確認したり、警察の写真は撮らない(上海の町中には多くの警察官と警察車両がいます。)ことを意識さえすればトラブルにはならないでしょう。
LINE・グーグルなど多くのアプリやインターネット関係が利用できない

中国でインターネットを利用する場合、情報統制がされているため、中国政府が許可を出したサイトのみ閲覧することが可能となっています。
これはインターネット閲覧・ブロックシステムの「グレートファイアーウォール(金盾)」によるもので、中国政府がインターネット管理及び監視を行うためのシステムです。これにより、中国政府が情報のコントロールをおこない、国内にとって不適切な情報の規制や、国内からの情報流出を防ぐ役割を持っています。
この対象は現地中国人に留まらず、旅行・出張で中国に渡航している外国人にも影響を与えますので、海外eSIMや海外SIMカード、モバイルルーターではネット利用に規制がかかってしまうことがあります。
中国で規制対象となるアプリ・サイトの一例
その他にウィキペディア、ワードプレス、アマゾン、ニューヨークタイムズ、ポケモンGOなど羅列するとキリがありません。
また、中国を批判するようなワードなども規制対象となっています。上記のように日本ではよく利用するものが中国では使えませんので、とても不便に感じることでしょう。
この対応策としては、情報統制の規制をすり抜けることができるeSIMや、ポケットWi-Fiを利用することによって解決することができます。
下記に中国で規制なしで利用できるeSIM、ポケットWi-Fiの記事を貼り付けておきます。
現金・クレジットカードが使えない店舗がある

キャッシュレス大国といわれる中国では年々現金の利用率が低下し、現金に変わるQRコード決済が主流となってきています。これは首都北京や上海などの大都市では特に顕著です。
現金利用が少なくなっている原因の一つとして、偽札対策が挙げられます。中国では偽札が出回っており、2015年には偽札防止技術を採用した新100元札も発行されるほどの社会問題になっています。こうした偽札に対応するように、キャッシュレス決済のアリペイ、又はウィチャットペイが中国全土に普及し始めました。
私が訪れた上海の場合、お店によっては現金を受け取ってくれない所もありましたし、現金支払いできたもののお釣りが無く、代わりにスマートフォンに電子クーポンが送られてきたこともありました。また、基本的に自動販売機では現金が利用できません。たとえ硬貨の投入口があったとしても反応しませんのでご注意ください。
私の体験上2025年8月現在の上海では、現金が利用できる割合は約70%ほどでした。ただし、この数値は滞在中にランダムに現金を利用してみた場合の数値なので、100回200回と回数を重ねた結果ではありません。あくまで目安として参考にしてください。
今後、中国の現金使用率はどんどん下がっていくと思われます。まだ現金が利用できるお店もありますが、断られるお店があるのも事実です。観光客にとってQRコード決済は必須といえるでしょう。
また、日本で発行したクレジットカードの場合、たとえ国際ブランドがVISAやMastercardなどの世界で広く利用できるブランドだとしても、利用できない場合があります。これは店舗がVISA・Mastercardの利用可能店と提示していても利用できないという意味です。中国では日本で発行した国際ブランドは対応していない場合が多く、店員さんが断ってくるケースもあります。
上記のことから現在の中国ではQRコード決済が必須となっています。
QRコード決済については下記記事にて解説しております。
【中国】アリペイの設定や利用方法、使用感を上海を訪れ調査!徹底解説!
あらゆる施設で身分証(パスポート)が必要になる

海外旅行の際に、パスポートをホテル内の金庫に預けておくか、肌身離さず携帯しておくか、迷われる方も多いと思います。結論としては中国の渡航の際には必ずパスポートを携帯しておきましょう。
中国では観光地やお寺などの入場、ホテルのチェックインの際に、パスポートの提示を求められることがあります。入場券を購入するためにパスポートが必要になりますので、提示できなければ入場することができません。
パスポートはケースなどに入れ、紐でバックや自分と結んでおくと紛失の可能性が下がります。また、念のためパスポートのコピーをカバンに入れておくと、万が一紛失した際にスムーズに手続きができるので1枚携帯しておきましょう。
外国人が宿泊できないホテルがある

星なしの庶民的なホテルや、「経済型ホテル」といわれるチェーン展開されているエコノミーホテルの一部には、外国人の宿泊ができない場合があります。中国では外国人の宿泊に関して条件を設定しており、パスポートのデータを公安当局に提出する義務があります。その提出用のオンライン端末が設置されていないホテルは外国人の宿泊が認められていないため、宿泊できないということになります。
一見、観光地にある設備の整ったホテルでも、外国人の宿泊が不可能な場合があるので要注意です。
さらに厄介なのが、こういった外国人不可のホテルであるにも関わらず、ホテル予約サイトで予約ができてしまうという点。たとえ日本で予約をしていたとしても、当日チェックインをしようとフロントに行くと門前払いを食らうことになります。
立地の良さや設備の豊富さは全く関係ありません。事前に宿泊できるか確認しておくことが大切です。
ではどのようにして外国人の宿泊可能ホテルを見つけるかですが、下記を基準にすればよいと思います。
3ッ星以上のホテルに関しては、ほぼ問題なく提出用オンライン端末を設置しているので、トラブルになることは少ないでしょう。
また、ホテルクチコミ欄に外国人の宿泊したクチコミがあれば、以前に外国人が利用したのは確実なので安心です。メールなどお問合わせが可能であれば質問するのも手になります。
上海ではホテルアメニティが制限されている

上海では2019年7月1日から「上海市生活ゴミ管理条例」が施行され、ゴミの分別が厳格化されるようになりました。それに伴い、ホテルでも使い捨て歯ブラシなどのアメニティ配布の制限が開始されました。
対応はホテルによって様々ですが、アメニティを全て廃止しているホテルもあるため、事前に確認しておくか念のため必要なものは持参していった方が安心です。

上海には至るところにコンビニエンスストアがあります。日用品は一通り揃っているので、現地調達も可能です。
上海市内の公共エリアは全面禁煙

2017年3月から、上海市では屋内の公共スペースが全面禁煙になりました。駅やバスターミナル、空港、飲食店では分煙も禁止されているため、喫煙者にはなかなか厳しい環境になりつつあります。学校や病院では屋外でも喫煙不可となっています。
仮に違反した場合は、最高200元の罰金が科されるため、喫煙場所には注意しましょう。
南京路では詐欺に注意!

上海最大の繁華街である南京路では、詐欺師が観光客を狙っています。以前からある手口で、近寄ってきて、つたない日本語で仲良くなり、お茶しに行こうと誘われます。連れていかれたお店で法外な価格でお茶を売りつけてくるというものです。
昔の事ではなく、現在もこの手法で話しかけてくるので要注意です。
実際に、私も一人で南京路を歩いている際に女性に話しかけられました。日本のどこに住んでいるのか聞かれ、自分も日本に住んでいたことがあると話を盛り上げてきます。次に今からどこに行くのか聞かれた時に、外灘まで歩いていると伝えると、急にお茶しましょうと誘ってきました。
南京路でこの手の詐欺は有名なので、行かない旨伝えてさっさと歩いていきましたが、その後もしばらくお茶屋さんに行こうと話しかけられました。無視し続けると去っていきましたので、一番の対策は全く反応しないことですね。
海外では怪しいと思ったらついていかない。基本的なことを守って楽しい旅行にしたいものです。
トイレにはトイレットペーパーが無い場合も。ポケットティッシュを持参しよう

基本的に、中国のトイレ事情は個室にトイレットペーパーが無い場合が多いです。また、一部のトイレには個室に扉が無い場合もあります。ただし、私が上海を旅行した時に訪れた施設にはすべて扉がありました。ただ、扉が低かったり下に隙間が大きく空いていたりするトイレもありました。
そしてもう一点、トイレの横にゴミ箱が置かれている場合は、ティッシュペーパーは便器に流さずにゴミ箱に捨てましょう。これは中国では当たり前の文化なので、わざわざ個室内に注意書きはございません。誤って流してしまうと詰まる可能性があるのでご注意ください。
色々と日本と異なる中国のトイレ事情ですが、上記のトイレ事情は大衆食堂やスーパー、公衆トイレ、観光施設などに該当するものです。ある程度施設の整っているホテルや高級レストラン、デパートではトイレに紙を流すことができます。
航空会社「スプリングジャパン」と「スプリングエアライン(春秋航空)」では機内持ち込み荷物のサイズが異なる

上海や中国に訪れる際、LCCを利用する方も多いと思います。その際に利用することがある「スプリングジャパン」と「スプリングエアライン(春秋航空)」。設立母体は共に「春秋航空」ではありますが、「スプリングジャパン」は日本航空と経営統合しており、春秋グループと日本航空の強みを生かした経営方針をとっています。
肝心の機内持ち込み荷物のサイズですが、「スプリングジャパン」の方が一回り大きい荷物を機内に持ち込むことができます。「スプリングジャパン」は一般的なLCC(ローコストキャリア)と同じサイズの56㎝×36㎝×23㎝、三辺合計が115㎝以内でかつ重量7㎏以下決められています。
一方「スプリングエアライン(春秋航空)」は、20㎝×30㎝×40㎝、三辺合計が90㎝以内かつ重量7㎏以下に設定されています。
この差はかなり大きく、バックの大きさは一回り程異なりますので、搭乗の際はどちらに乗るのかしっかり確認しましょう。

参考までに、三辺合計が115㎝のカバンは30~35ℓ用、90㎝のカバンは25ℓほどの収納スペースがあるカバンになります。
その他気を付けたい事
中国滞在において、その他注意しておきたいことを箇条書きしておきます。
まとめ:日本の常識は通じないことを念頭に中国旅行を楽しもう!
いかがでしたか?国が変われば常識やマナーは変わっていきます。そんな日本人にとっては非常識なことも、新鮮な体験として受け止めれば旅行がもっと楽しくなること間違いなしです。
マナーを守って旅をすると、旅先で出会った人々は本当に優しく、困ったときには助けてくれます。皆さんの中国旅が少しでも楽しくなれば幸いです。
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